自宅で仕事ができる新しい働き方「フルリモートワーク」に注目が集まっていますが、一体どんなメリットやデメリットがあるのでしょう。
この記事では、フルリモートワークを実際に経験している私が、その実態をわかりやすく解説します。
時間や場所に縛られずに働ける自由度の高さは魅力的ですが、時間管理や仕事とプライベートのめりはりなどのデメリットもあります。フルリモートワークに憧れを抱きながら、具体的にどんなことがあるか不安に思っている方も多いはず。
メリット・デメリットの両面を、体験に基づいて詳しくお話しますので、ぜひお読みください。
- フルリモートとは?どんな働き方?
- フルリモートができる職種は?
- フルリモートワークの働き方のメリットは?
- フルリモートの働き方のデメリット
- フルリモートの働き方が合う人は?自分に適正はあるか見極めるには?
- フルリモートで成功するには?
- フルリモートで理想の働き方を叶えよう
フルリモートとは?どんな働き方?
フルリモートワークとは、自宅などの会社外の場所で完全に仕事を行う働き方のことです。オフィスに出勤せずにインターネット環境さえあれば、いつでもどこでも業務に従事できます。
近年、ワークライフバランスの重視や働き方改革の流れから、フルリモートワークが注目を集めています。長時間の通勤が不要になり、自由な時間管理ができるため、プライベートとの両立がしやすくなるメリットがあるからです。
また、企業側からするとオフィス費用の削減など、企業側のコスト削減などのメリットもあり、生産性の向上も期待できます。
従来の働き方と大きく違う所
フルリモートワークとは、従来の事務所や工場などの職場に赴かず、完全に自宅などの会社外の場所で業務を行う働き方のことです。
従来の働き方は、決められた時間に職場に出勤し、そこで上司や同僚と共に業務にあたるのが一般的でした。しかしフルリモートワークでは、オフィスへの通勤は一切なく、インターネット環境さえあれば自宅などでいつでも仕事ができます。
リモートワークの様々な形態
フルリモートの他に、リモートワークの導入形態は様々です。
例えば、以下のような働き方があります。
- 完全リモート: すべての業務をリモートで行う形態です
- 週何回リモート: 週に決まった回数(例:週2回)オフィスに出勤し、その他の日はリモートで行う形態です
- プロジェクト制: プロジェクトごとにリモートワークとオフィス勤務を使い分ける形態です。
リモートで仕事をすることに興味を持っている方は、どの程度リモートワークをしたいのかを考えてみるといいでしょう。
私は、完全在宅が良かったのでフルリモートの会社を選びました。
フルリモートができる職種は?
フルリモートに適した職種は以下のようなものが挙げられます。
IT関連職種
- ソフトウェアエンジニア
- Webデザイナー
- ネットワークエンジニア
- システムエンジニア
インターネット環境さえあれば、場所を選ばずにコーディングやデザイン業務ができます。
クリエイティブ職種
- Webライター
- グラフィックデザイナー
- 動画編集者
- イラストレーター
クリエイティブな業務は自宅でも行え、完成品はオンラインで共有できます。
マーケティング職種
- デジタルマーケター
- SEOコンサルタント
- SNSマーケター
- 広報担当
コンサルタント職種
- 経営コンサルタント
- 人事コンサルタント
- ITコンサルタント
クライアントとのやりとりはWeb会議で行え、資料作成なども自宅で行えます。
営業職種
- インサイドセールス
- フィールドセールス
- アカウントマネージャー
訪問営業は難しいですが、Webやメール、電話を使った営業業務はリモートで可能です。
その他
- 翻訳者
- オンライン講師
- データアナリスト: データ分析スキル、統計知識、プログラミングスキル
オンライン授業の実施が可能なため、自宅からレッスンができます。
フルリモートワークの働き方のメリットは?
フルリモートワークには、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは、私が感じた労働者のフルリモートのメリットを紹介します。
通勤時間が無くなり、朝の贅沢な時間が作れる
通勤に時間を取られずに済むので、朝はゆっくり起きてから作業に入ることができます。会社に遅刻する心配もないため、遅めの起床でも問題ありません。
出勤前の贅沢な時間を作れるメリットは大きいでしょう。
例えば、ゆっくりと朝食を取ったり、家事や育児に時間を割いたり、朝の運動や読書を楽しむこともできます。通勤電車の混雑に携わる必要もなく、落ち着いた朝を過ごせるのがフルリモートワークの大きな魅力です。
ちなみに私は最近出社(デスクに座る)10分前の起床が状態化してきました。部屋着で働けるし人に会わないのでノーメイクでOKです。ギリギリまで寝る、が私にとって最高に贅沢な時間です。
自由な場所で作業できる
フルリモートワークは自宅だけでなく、カフェやコワーキングなど、あらゆる場所で作業できるのが最大の利点です。気分転換を兼ねて外で作業することもでき、場所を選ばない自由度の高さが大きなメリットといえます。
旅行先からでも仕事ができるため、プライベートとの両立も格段に良くなります。
居住地に縛られない
フルリモートワークの大きなメリットの一つに、「居住地に縛られない」ことが挙げられます。
従来の勤務スタイルでは、通勤できる範囲内に住む必要があり、居住地の選択肢が限られていました。しかし、フルリモートなら、インターネット環境さえあれば、どこに住んでいても問題ありません。
都心の高額な家賃を払わずに、郊外や地方の広い住居で暮らすことができるのです。
また、旅行時にリゾート地で仕事ができたり、両親の介護が必要になった際に実家で働けたりと、柔軟な対応が可能です。将来的には海外在住も夢ではありません。居住地を選ばない自由度は、ライフスタイルの幅を大きく広げてくれます。
私は、地方在住ながら都内に本社がある企業で働いています。
地方在住では就ける仕事が限られるのですが、フルリモートワークのおかげで仕事の選択肢が広がりました。
プライベートの時間が確保しやすい
フルリモートでは、通勤にかかる時間が無くなるだけでなく、家から離れずに済むため、家事や育児との両立が非常に良くなります。
家族と一緒に朝を迎える時間も作りやすく、子育ても気兼ねなく行えます。さらに、作業の合間を縫って家事や育児に携わることも可能です。
オフィスから解放されるため、プライベートとワークのメリハリもつきやすくなり、仕事以外の時間を大切にできるのがフルリモートならではの利点でしょう。
フルリモートの働き方のデメリット
一方で、フルリモートにはデメリットもあります。
仕事とプライベートの境目が曖昧になりがち
自宅が職場と重なるため、いつでも仕事モードに入ってしまい、プライベートとの境界線が曖昧になりがちです。
オフィスを離れた環境では、上司や同僚の目も気にならず、夜遅くまで、あるいは休日も気づけば仕事を続けてしまう危険があります。そうなれば長時間労働につながり、メリハリのない生活は身体的にもメンタル的にも良くありません。
仕事と私生活の切り分けが難しくなる点が、フルリモートワーカーの大きな課題です。
私も、ついだらだらと仕事をしてしまいそうになるので、タイマーなどを使ってメリハリをつけるようにしています。
コミュニケーション不足で孤立しがち
対面でのコミュニケーションがほぼできないため、会社や同僚、上司との関係が希薄化し、職場での孤立感を覚えがちです。
オフィスにいれば自然と入ってくる情報も減るため、伝達の遅れやミスコミュニケーションが起きやすくなります。
実際にフルリモートで働いてみると、やはり出社していたときよりは同僚や上司との会話は減ります。ちょっと声をかける、ちょっと雑談するといったことが発生しないですから。
ですが、オンラインツールを使って会話することがあるので、仲が悪いことや険悪なことは一切ありません。
作業環境の違いでストレスがたまる
自宅の作業環境はそれぞれ異なり、狭い机しかない、椅子が合わない、防音対策が不十分などの課題があれば集中力が低下します。家族と同居していれば、プライバシーの確保も難しくなります。環境のストレスから、作業効率が下がる可能性も無視できません。
健康面での懸念がある
フルリモートだと運動不足になりがちで、生活習慣病のリスクが高まります。室内にこもりっぱなしでは、メンタルヘルスの不調にもつながるでしょう。継続的な自己管理が重要になり、ストレス解消の工夫も必要です。
私はフルリモートの働き方が気に入っていますが、後悔したこともいくつかあります。
詳しくは下記の記事にまとめています。
フルリモートの働き方が合う人は?自分に適正はあるか見極めるには?
私自身や、私が所属する会社で働く人をみてわかった、フルリモートワークが合う人の特徴を紹介します。
自己管理能力が高い人
フルリモートワークでは、上司や同僚からの直接的な指示が少なく、自らがスケジュール管理をしながら作業を進めていく必要があります。
いつ何を行うか、どの業務から着手するかなど、時間管理や優先順位付けの自己管理能力が求められます。
モチベーションを保ち続けながら、自発的に作業を進められる力が不可欠です。周りから促されるわけではないので、自走できる資質が重要になってくるでしょう。
2. コミュニケーション能力が高い人
これは、人と話すのが得意なコミュニケーションではなく、空気を読む、適切なところで適切な質問や対応をできるといったニュアンスのコミュニケーション能力です。
対面でのコミュニケーションが少ないフルリモートでは、メールやチャットツール、Web会議などを通じたコミュニケーション力が欠かせません。
文章力とともに、言語以外の部分でも相手の状況を汲み取る力が必要とされます。伝えたい内容を的確に文章で表現し、発信する能力が問われます。
また、反対に相手からの表情や言葉の裏にあるニュアンスを敏感に感じ取ることも大切です。
自宅で集中できる環境が整っている人
自宅がそのまま職場となるフルリモートでは、作業に集中できる環境が必須条件です
防音対策ができていたり、家族に理解があり作業を邪魔されない環境であることが理想的です。電話の響き音や家族の動きなどにも邪魔されない空間が確保できることが重要になります。集中を乱す要因がないよう、事前に環境を整備しておく必要があります。
健康管理が習慣化されている人
フルリモートでは外出が減るため、運動不足に陥りがちです。そのため、普段から運動や食事など健康的な生活習慣が身についており、自己管理できる人が適しています。
室内じっとりの生活になりがちなので、定期的に運動を取り入れるなどの工夫が欠かせません。長時間デスクワークになるリスクもあるため、そうした課題に対処できることが求められます。
変化を恐れず、チャレンジングな人
フルリモートは従来の勤務形態から大きく異なる新しい働き方です。環境の変化に柔軟に対応でき、新しいことにもチャレンジできる心構えが必要不可欠です。
オフィスに出勤しない分、孤独を感じたり、モチベーションを保つのが難しくなることもあります。しかし、そうした課題にも前向きに取り組める姿勢があれば、新しい価値観や生活スタイルを手に入れられるでしょう。
このように、一定の自己管理能力と環境が整っていることが前提となり、更に主体性・コミュニケーション力・健康管理能力などが求められるのが、フルリモートワークの特徴と言えます。
フルリモートで成功するには?
フルリモートの会社に転職したい!と考えている人も多いですよね。
フルリモートで快適に仕事をするには、以下のことを意識してみましょう。
フルリモートで成功するには、労働者自身が主体的に以下の点に取り組むことが重要です。
作業環境の整備
自宅やカフェなど、仕事に集中できる環境を整備することが不可欠です。遮音対策をして周りの音を遮断したり、デュアルモニターを設置して作業効率を上げたり、適切な照明や机、椅子を用意するなどの工夫が求められます。
家族など周りの理解を得て、作業に専念できるスペースを確保することが理想的です。プライバシーが確保できる個室があれば最高です。環境を整備することで、集中力を維持しやすくなり、生産性の向上につながります。
時間管理の徹底
在宅で仕事をするため、自らがタスクの管理をして作業を進める必要があります。ToDo リストを作成し、重要度や期限を意識しながら計画的に業務に取り組む習慣が欠かせません。
一日の作業量を決めて、それに沿って進めていくのも良い方法でしょう。また、始業・終業時間を決め、プライベートの時間と仕事の時間にメリハリをつけることも大切です。時間管理を徹底することで、無為な時間を作らず、生産性を保つことができます。
コミュニケーションツールの活用
対面でのコミュニケーションが少ないため、チャットやWeb会議などのツールを上手に活用する必要があります。文章やビデオを使って、分かりやすく情報を共有・発信する力が求められます。
また、定期的な報告や連絡を心がけ、孤立を防ぐ意識が重要です。チームで情報を共有し、組織の一体感を保つためにも、コミュニケーションは欠かせません。
健康管理への意識
在宅勤務は運動不足や生活リズムの乱れにつながりがちです。定期的な運動を取り入れたり、適度な休憩を取ることで、体を動かす機会を作ることが重要です。
食事管理や睡眠にも気を配り、心身の健康を保つ努力が欠かせません。オンラインフィットネス動画の活用なども有効な手段となるでしょう。
健康的な生活習慣を維持し、ストレスを溜めないことがフルリモートでの成功の鍵となります。
モチベーション維持の工夫
上司や同僚からの直接的な指示がないため、自らモチベーションを保つ工夫が欠かせません。中長期の目標を立て、成果につなげることで、達成感を得られます。趣味の時間を確保したり、フルリモートのメリットを享受するなど、リフレッシュの機会も作るとよいでしょう。
また、定期的な報告で上司からの評価を仰ぐことも、モチベーション維持に役立つはずです。自走力と高いモチベーションを保ち続けることが、フルリモートで成功する秘訣と言えます。
フルリモートで理想の働き方を叶えよう
フルリモートワークは、時間や場所に縛られない自由な働き方です。通勤時間がなく、プライベートの時間も確保しやすいメリットがある一方で、仕事とプライベートの境目が曖昧になったり、コミュニケーション不足に陥るリスクもあります。しかし、自己管理能力や環境が整っていれば、そのデメリットを乗り越えられます。作業環境を整え、時間管理を徹底し、健康面にも気をつければ、理想の働き方を実現できるはずです。一度フルリモートにチャレンジし、新しいライフスタイルを手に入れてみてはいかがでしょうか。