私は現在、ベンチャー企業で働いています。ベンチャー企業と聞くと「自由」「成長」といったポジティブな面を思い浮かべる人もいれば、「多忙」「不安定」などネガティブな印象を持っている人もいるでしょう。
そこで今回は、現役社員がベンチャー企業では働くメリットとデメリットを本音で紹介します。
※本記事の内容は、私の体験談ベースになっているので、あくまで私が経験したベンチャー企業でのお話です。すべてのベンチャー企業に当てはまらないこともあるのでご了承ください。
- ベンチャー企業ってどんなところ?
- 現役社員が語るベンチャー企業で働くメリット
- デメリットは?ベンチャーのリアルを語る
- ベンチャー企業が向いているのはどんな人?
- ベンチャーのメリットとデメリットを比較してみよう
ベンチャー企業ってどんなところ?
ベンチャー企業は、新しい技術やビジネスモデルを展開し成長する企業のことを指します。大手企業と比較すると、次のような特徴があります。
- 成長志向が強い人が多い
- 新しい技術やアイデアを積極的に取り入れる
- 経営陣との距離が近い
- 社員の自主性や創造性を重視する
- チャレンジングな環境
- 自由度が高い
- 給与や待遇が不安定なことがある etc...
大手企業で働く場合、すでに完成しているサービスや事業に携わることが多いですが、ベンチャー企業の場合は新しい事業を始めたり自身でゼロから仕事を始める機会が多いです。
なぜベンチャー企業で働いているの?
結論から言うと、ベンチャーの働き方が私にあっているからです。
私の経歴を簡単に紹介すると、新卒で大手企業に入社したものの1年半程で退職し、
スタートアップ企業に転職、その後ベンチャー企業に転職という流れです。
この後にベンチャー企業で働くメリットを紹介しますが、大手よりもベンチャーで働くことによりたくさんのメリットを感じているからベンチャーを選びました。
ベンチャー企業への転職はおすすめ?
全員におすすめはしません。なぜなら、ベンチャー企業には向き不向きがあるからです。
この後に紹介するベンチャー企業のメリット・デメリットをみたうえで、メリットが多いと感じた人には、ベンチャー企業への転職をおすすめします。
デメリットを見て引いてしまった人は、ベンチャー企業はやめておくほうがいいかもしれません。
私が大手からベンチャーに転職したときの話は、下記の記事にまとめています。
現役社員が語るベンチャー企業で働くメリット
ここからは、実際にベンチャー企業で働いてみて感じたメリットを紹介します。
メリット1.成長できる環境がある
ベンチャー企業で働くメリットとして、「成長できる環境がある」が挙げられます。
成長できる環境を具体的に説明すると、次のような機会が多いため、社員自身が成長していく必要があります。
- 仕事の裁量が大きい(責任が多い)
- 新しいことに挑戦する機会が多い
- 変化やチャレンジを求められる
ベンチャー企業は、まだ事業が軌道に乗っていない場合が多く、一人ひとりの裁量権が大きいため、自分のアイデアを形にしたり、新しいことにチャレンジしたりする機会が多いです。そのため、自分のスキルや経験を活かして、幅広い分野で活躍するチャンスがあります。
大企業では、基本的には勤続年数や年齢でポジションが決まり、業務範囲も決まっていますが、ベンチャーはそうではありません。
やりたい!と手を上げればなんでもできるメリットがあります。
自分のアイデアや努力が直接的に成果につながるので、やりがいを感じながら成長できる環境です。
また、ベンチャー企業は、常に変化やチャレンジを求められる環境です。そのため、常に新しい知識やスキルを身につけ、成長する必要があるため、成長意欲の高い人にとっては楽しい環境だと言えます。
メリット2.大企業ではできない経験ができる
ベンチャー企業で働くメリットとして、「大企業ではできない経験ができる」が挙げられます。
- ゼロから新しい事業を立ち上げる経験
- 新しい技術やサービスの開発に携わる経験
- 多様な業務に携わる経験
- 経営に近い立場で働く経験
- 自分の失敗で自社にダメージを与える経験
こういった経験は、大企業で働いていても特に20代30代のうちはできないことが多いでしょう。
大企業では、すでにある技術やサービスを改善・改良する機会が多い傾向にあります。一方、ベンチャー企業は、新しい技術やサービスを開発するために、常に変化やチャレンジを求められる環境です。そのため、新しい技術やサービスの開発に携わる経験を積むことができます。
また、リソースが限られているため、自分のポジション以外の仕事を担当することも多いです。専門的に尖る大企業とは違い、マルチなスキルを身につける働き方ができます。
ただし、大企業でもベンチャー企業では経験できないような働き方ができることは覚えておきましょう。
メリット3.裁量権が大きい
ベンチャー企業で働くメリットとして、「裁量権が大きい」が挙げられます。
裁量権とは、自分の判断で仕事の進め方や方法を決めることができる権限です。ベンチャー企業は、まだ事業が軌道に乗っていない場合が多く、一人ひとりの裁量権が大きいため、自分のアイデアを形にしたり、新しいことにチャレンジしたりする機会が多いです。
具体的には、以下のようなシーンが多いです。
- 自分のスキルや経験を元に仕事をする
- 個人の考えやアイデアを求められる
- 自分で考えて行動しなければいけない
大企業では、仕事の進め方は上司や先輩に指示されることが多い傾向にあります。一方、ベンチャー企業は、自分の意見や行動が事業に影響力があります。
自分のアイデアや提案が尊重され、新しいプロジェクトや戦略の構築に参加できるのは、やりがいを感じます。
大企業では「これはこう変えたほうがいいのに...」と思ったところでどうにもならないことがストレスでしたが、ベンチャーでは自分で変えていけます。
常にPDCAを回しながら実行できることが私にとってはメリットです。
メリット4.経営者との距離が近い
ベンチャー企業で働くメリットとして、「経営者との距離が近い」が挙げられます。
ベンチャー企業は、規模が小さいため、経営陣との距離が近く、経営者本人と直接話す機会が多いです。
オフィスで隣の席に社長が座っている、なんてこともありますし、コンビニに一緒にコーヒーを買いに行くこともあります。大企業じゃ考えられませんよね。
具体的には、以下のようなメリットがあります。
- 経営者の考えやビジョンを直接聞くことができる
- 経営層とのコミュニケーションが取りやすい
- 経営に近い立場で働くことができるチャンスがある
とにかく人間関係が楽だと思いました。風通しが良くて、面倒な人間関係はありません。
経営者本人と直接話すことで、自分の考えやアイデアを直接伝えることができ、自身のキャリアアップにつながる可能性があります。
あとは単純に仕事ができる人と話すのは勉強になります。シゴできの人と話す機会が持てるだけでかなりのメリットだと私は思います。
メリット5.ベンチャー適正がある人は伸びる!
ベンチャー企業のメリットの1つ目として成長できる環境があることを挙げましたが、あくまで”環境”が整っている状態です。ベンチャーに入ったからといって全員が成長できるわけではありません。
私の場合は、ベンチャー企業での働き方や仕事が自分に適合しているため、実際に自身のスキルアップや成長を実感しました。
もしあのまま新卒で入った大企業にいても身につけられなかったスキルが身につきましたし、そのスキルを活かして転職もできました。
あとは、ベンチャー企業はチャレンジと失敗の連続です。失敗しても許されることがベンチャー企業のメリットなのですが、これはまさに大企業ではできない経験です。
失敗から学ぶ派の私は、失敗の場数を踏むことで、メンタル面も成長したと思います。
デメリットは?ベンチャーのリアルを語る
メリットがある一方、ベンチャーで働く中でデメリットもたくさん感じました。
デメリット部分も本音で紹介していきます。
毎年昇給があるわけではない
ベンチャー企業の昇給事情は、企業規模や業界、職種などによって大きく異なりますが、一般的にベンチャー企業の昇給は、大企業に比べて少ない傾向にあります。
- 初任給は、大企業に比べて高い傾向がある
- 年次昇給は、大企業に比べて少ない傾向がある
- 成果や貢献度によって、昇給額が大きく変わる傾向がある
などのデメリットがあり、実際に私は毎年確定で昇給するとは限らない環境でした。
ベンチャーの昇給は、企業全体の成長や業績向上があったときまたは、個人の目標達成や能力向上など成果や貢献度が反映されるときのみです。
また、ベンチャー企業は、年功序列ではなく、実力主義の企業が多いため、昇給は、成果や貢献度によって評価されます。そのため、入社後すぐに昇給する可能性は低く、ある程度の実績を積んでから昇給するケースが多いです。
なので、働いていれば給料が上がる大企業とは年収に差がでました。ただし、一度の昇給金額は大きいこともあり、1年で1万円以上アップするということもありまsた。
仕事量が多いときがある
とにかく忙しい!残業!という時期がありました。
ベンチャー企業は、まだ事業が軌道に乗っていない場合が多く、成長するために、スピード感を持って仕事を進めることが求められます。またベンチャー企業は社員数が少ないため、一人当たりの業務量が大きくなることがあります。リソース不足が深刻で残業しまくりの日もありました。
ただしこれは大企業でも同じですよね...
今私が働いているベンチャー企業は、繁忙期以外は定時退社だし、休日出勤はしたことがありません。
経営の不安定さ
ベンチャー企業=経営が不安定、というイメージは私も入社前から持っていましたが、実際に入ってみると解像度があがりました。
不安定を具体的にすると、
- 事業が成功するかどうかが不確実
- 資金調達が難しい
- 競合他社との競争が激しい
- 人が定着しない
新しいサービスや事業が成功するかどうかは、自分自身にかかっているという状況です。
自社に成功事例や確固たる製品がないので、業績が安定せず、利益の不確実性が高い場合があります。
またベンチャー企業は成長段階にあり、資金調達が常に必要です。新規事業の立ち上げや成長に必要な資金を確保することが難しい場合があります。
さらに、大企業に比べて知名度や安定感が少ないため、優秀な人材を獲得し、それを定着させることが難しいことがあります。
とにかく自転車操業でぎりぎり黒字!みたいなこともよくありました。(もちろん赤字の年もあります。)
自分の会社が潰れるかも、という心配は心の隅っこに常にありました。
ベンチャー企業が向いているのはどんな人?
メリットとデメリットを踏まえて、ベンチャー企業で働くことが向いている人の特徴を挙げます。
なお、こちらの記事ではベンチャー転職の失敗談を紹介していますので、あわせてご覧ください。
変化を恐れない人、変化を好む人
ベンチャー企業は、常に変化やチャレンジを求められる環境です。そのため、変化を好む人や、変化をメリットとして受け入れられる人は、ベンチャー企業に適性があると言えるでしょう。
ベンチャー企業で働く際には、変化を受け入れ、変化に対応していくことが求められます。
新しいことに挑戦するのが好きな人は、ベンチャー企業で新しい事業やサービスを立ち上げたり、新しい技術や手法を取り入れたりする際に、前向きに取り組めるでしょう。
自分で考えて行動したい人
ベンチャー企業は一人ひとりの裁量権が大きいため、主体性を持って仕事を進めることが求められます。
上司の指示やマニュアル通りに仕事を進めるのではなく、業務フローや手順を自分で組み立てて、課題は改善して、PDCAを回しながら仕事をしたい人に向いています。
私は大企業で働く中で、「もっとこうすれば良くなるのに、会社の仕組み上できない」、「こういう方法を試せばもっと生産性が上がるのでは?でも上司の指示通りにやらないと」などの経験があり、かなりストレスでした。
ベンチャー企業では思い立ったら即行動、結果を報告、課題改善と自分で考えて行動できるので、そういった働き方がしたい人に向いています。
刺激的な毎日を過ごしたい
ベンチャー企業に入ってからの日々は、とにかく刺激的です。大企業で働いていたときは、同じことの繰り返しでまさに社会の歯車感がありました。
ベンチャー企業は、新しいことに挑戦したり、やったことないことに出会ったり、新しいスキルを身につける機会があったりと、とにかく「新しい」機会が多かったです。
そして、裁量が大きく責任も大きかったです。なんとなく仕事をしている状態がなくなったように感じました。
こういった刺激的な部分にやりがいを感じられる人は、ベンチャーに向いていると思います。
また、ベンチャー企業は一定のリスクもあるため、そういった意味でも刺激的でした。
ベンチャーのメリットとデメリットを比較してみよう
働いてみて感じたのは、ベンチャーにはメリットもデメリットもあります。
私の場合はメリットの比重が大きく、ベンチャー向きの人間だったため、今もベンチャーで働いています。
ベンチャー企業で働くメリットとデメリットを理解した上で、自分に合っているかどうかを判断しましょう。